次男犬のこと

 

散歩で抱っこされている次男犬。興味深そうに外を眺めている。背景は青空。白い毛色のミニチュアダックスフンド。

 

※死に関する記述があります

 

 

 次男犬が急逝しました。

 次男犬は、白い毛色の、もちもちしたミニチュアダックスフンドでした。愛犬3兄弟の真ん中で、しっかり者の次男でした。

 享年14歳。老犬でしたし、日頃から「おじいワンになったねぇ」と話していたけれど、あまりにも突然で早すぎました。

 私は最期に立ち会えませんでした。

 

 実は次男犬は昨年から老化ゆえの慢性的な気管支炎だと診断され、基礎疾患として今後も付き合っていくしかないと判明していました。今夏に体調を崩し咳が再発していたものの回復し、つい先週まで元気に過ごしていました。

 先週、次男犬の呼吸が少し荒いということでかかりつけの動物病院に連れて行き、軽度の肺炎になっていたため投薬治療していた最中のことです。呼吸の荒さはあれど、食事も摂っていました。

 なので、これまでのように回復すると私も家族も(そして動物病院2件の医師も)信じており、回復したらご褒美に好きなオヤツを食べさせてあげようと弟とも話していたところです。

 しかし、次男犬の体調は突然悪化しました。先日の11/12、夜19時半に、次男犬の呼吸が苦しそうだから救急病院へ行くと家族から連絡がありました。

 心配していましたが、いつも元気な次男犬ちゃんのことだからきっと大丈夫だと私はそのときまで考えていました。

 病院に向かう車内で容態が急変し、到着したときには呼吸が止まっていたそうです。肺に血栓ができ、酸素が供給できなかったようでした。医師の方々も手を尽くしてくれましたが、そのまま亡くなったそうです。

 電話があり、次男犬が亡くなったと聞いて私は人生ではじめて泣き崩れました。急死の原因は肺塞栓症とのことです。 19時半の連絡からたった2時間弱のうちに、何もできないまま永遠にお別れすることになってしまいました。

 

 次男犬はしっかり者の頑張り屋で、兄弟である長男犬と三男犬がポヤポヤしていることを理解していたのか、3匹のまとめ役として毎日張り切っていました。

 そばで見ていた家族だけでなく、先週から3日に一度診てもらっていた医師からも元気そうだから治るだろうと言われていました。肺を悪くしてからも元気に振る舞っていましたが、無理をしていたのかもしれません。急変があったとはいえ、ずっと呼吸は苦しかったはずです。亡くなる直前まで頑張り抜いていたのだと思います。

 台風や雷、地震のときも、あるいは散歩のときも、兄弟犬が怯えたら守ろうとする素振りを見せていました。みんなを心配させまいとする優しい性格の、本当によい子でした。

 

私に撫でられている次男犬。ちょこんと座り、こちらを見上げて口を開けている。白い毛色のミニチュアダックスフンド。

 

 私は昨夜、仕事終わりに飛行機に飛び乗り、大阪に戻ってきました。

 そして今日、次男犬のお葬式をしました。火葬前に体を撫でたときも、いつも通り毛並みがふわふわで、お手々も柔らかく、眠っているようにしか見えませんでした。

 いつも抱っこするとズッシリと温かく柔らかかった次男犬は、今はすっかり小さくなって片手に乗るサイズの箱に入っています。こうなった今でも可愛い愛犬だと思えます。

 特徴的なヴェヴェヴェという鳴き声で喋りかけてくることも、構ってほしくてお尻でアタックしてくることも、顔を舐めまくってくることも、もうないのだと思うと悲しくてやりきれません。この哀しみはどうすることもできません。

 手先の器用な弟は、自分だって辛いのに私のために次男犬のメモリアルグッズ(亡くなった方を偲ぶための品や形見)を作ってくれました。次男犬の肉球を型取ったハンコと色紙です。

 共に成長した弟と愛犬3兄弟たちは、人間と犬という違いはあれど、その優しさはとてもよく似ています。次男犬も、私が怪我や出血をしていたら毎回いち早く気づき寄り添ってくれていた優しい子でした。

 

 私は5年前から東京に住んでおり、愛犬たちは大阪の実家で暮らしています。それでも私は大きな休みのたび大阪に帰り、大阪で仕事もしているため、一年のうち5ヶ月ほどは大阪でも生活しています。なので、離れて住んではいるけれど愛犬たちとはかなり定期的に会っていました。

 最後に次男犬と会えたのは9月末でした。そのとき、たくさん撫でて、散歩し、抱っこして、ごはんを食べ、一緒に眠ることができました。次男犬と過ごした最後の夏、良い日々だったと思えています。

 ただ、お別れがこんなにも早く訪れると知っていたなら、肥満による健康不良を気にしてオヤツを控えたりせず、もっと美味しいものを好きなだけ食べさせてあげれば良かったという悔いは正直あります。

 しかし、私が次男犬を愛していたことは次男犬にもちゃんと伝わっていたと信じています。次男犬も私に余りある愛情を返してくれました。次男犬と過ごせた日々は宝物です。

 

 次男犬は兄弟たちのことも本当に大好きでした。

 いつも一箇所に集まり、3匹でくっついて寝ていました。公園など外で遊ぶときも長男犬と三男犬がどこにいるのか常に確認してせっせと動き回り、兄弟が楽しく遊んでいると満足そうでした。

 兄弟犬たちは次男犬が亡くなった日にお別れを済ませています。2匹とも死を理解していたようで、動かない次男犬の体に向かって吠えたあと、そばに寄り添っていたそうです。

 私は次男犬との日々を大事にして、これからも長男犬と三男犬と過ごしていきます。

 

 次男犬は眠っているときに、足をパタパタさせたり、口をモグモグさせたりよくしていました。次男犬には好きな場所があって、夢の中ではその場所で走り回り、好きなものを食べていたのでしょう。だから私は、もし次男犬が行くならきっとそこだろうな、と思っています。

 

愛犬3兄弟で並んだ写真。左から長男犬、次男犬、三男犬。三匹ともミニチュアダックスフンドで、色は。

ずっと仲良しだった愛犬3兄弟

 

 次男犬は、白い毛色の、もちもちしたミニチュアダックスフンドでした。愛犬3兄弟の真ん中で、しっかり者の次男でした。

 とっても賢くて、兄弟犬たちのまとめ役でした。遊んでいて楽しくなってくると兄弟犬たちが暴れすぎないようブレーキをかける役割を自主的にしていました。私が帰宅すると必ず最初に気づいてくれました。

 三兄弟の中で一番社交的でした。犬や人が好きで、誰とでも仲良くなろうとしていました。お腹を撫でられるのが好きで、私がお腹にチューしても機嫌よくはしゃいでました。

 食いしん坊で、ごはんを食べるときは一番嬉しそうでした。歯磨きや耳掃除など嫌なお世話を耐えたあとは、キッチンの前の壁にへばりついてオヤツを催促してました。オヤツはササミと芋、キャベツ、鰹が特に好きでした。

 私とよく一緒に眠ってくれました。私の枕元を陣取るか、小さなクリームパンのような足で私の腕や脚を抱えるようにして抱きついて寝ていました。毛布に包まるのもお気に入りで、よく試行錯誤しながら快適な寝床を作っていました。

 何かに兄弟犬が怯えたら、自分が前に出てみんなを守ろうとする子でした。家族のうち誰かの体調が悪いときは専属の番犬になっていました。

 話しかけるといつも寄って来てくれて、くりくりの目で常にこちらを見ていました。構って欲しいとお尻アタックをくり出してきました。抱っこすると柔らかくてお餅みたいでした。

 

 本当に本当に可愛い、素晴らしい愛犬でした。

 ティニー、ずっと大好きよ。